ジョブズの成功も、これに近いまぐれ当たりだ。彼の事業は失敗のほうが多いが、iPodで一発当てれば、それを取り返して余りある。ベンチャーとはそういうものだ。サーゲイ・ブリンが「グーグルはなぜ成功したのか?」と質問されて「運だ」と答えたのは、本当なのだ。 まぐれ当たりを事業として成功させる上で重要なのは、仮説が明確だということだ。いろんなことをごちゃごちゃやらないで、一つの目標にしぼり、意思決定もトップの独断で決め、「みんなの意見」なんか聞かない。そうすると失敗しても、どこが悪かったがすぐわかり、トップをクビにすれば路線転換も簡単だ。IT産業はダーウィン的世界なので、そこで誰が生き残るかは、ほとんど偶然だが、大事なのは戦略と責任を明確にして、成功を次の事業に生かし、失敗したらすぐ退出するシステムである。